刺青 舞台裏 (52)
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舞台裏 (52)

「助かった」
 営業本部長が今回の任意売却の礼で食事に誘ってきた。私としては彼の情報を知りたい。支店長は彼の上司の専務と頻繁に行き来しているが、向こうの銀行の情報が全く入ってこない。
「いえ、こちちらこそ融資の枠をお願いします」
「ワールドの長男は面白いな。こちらはもう女社長と手切れする時期なんだがな。専務も男と女の関係を引きずりすぎる」
 彼の口から専務批判が出るのは危ない。
「実はな。頭取派が息を吹き返してきた。すでにあの不動産会社の負債の指摘を受けている。頭取派は専務の暴走と位置付けている。合併についても行政の指導が出るはずだ。私もこのままでは専務と道連れだ。それで頭取派にも片足を置くことにした。今回の融資で信頼を受けたのだ」
「やはり。支店長は?」
「彼も踏み込みすぎた。そちらの銀行も同じような動きになっているようだ。なぜ君の意見を聞かないのだろうな」
 どうも私が追加融資に反対した話は伝わっているようだ。
「君はこれからどうする?」
「私は銀行員に合いません」
「面白い男だな。今後力を貸してほしい」
 店の外に出ると、最近打ち合わせをしている盗撮のハーフのジョージが待っている。
「リストから20人ほど話を付けてます。ユミさんとも話しました」
「居酒屋で少し飲もう?」
 彼とはなんとなく同じの臭いがする。





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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

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夢人です。『ぽろんの女』の短編を書き下ろしてふと震災後にその街を訪ねました。それであの頃の日記を開いてみました。この街で刺青の仁王と暮らしたことが。

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